シーティングベルト動画

Seating Belt Set Up

Seating Belt Knee Exercise

トレーニングの方法

訓練したい方の下肢を膝屈曲30度で固定して踵を床面に押しつけるようにベルトを突っ張ります。この時、反対側の下肢は足を持ち上げ股関節・膝関節を屈曲してベルトを突っ張ります。5秒間ベルトを突っ張ったら力を抜き、今度は反対側の下肢を突っ張ります。これを30回くらい繰り返します。

 

(参考文献)

対側股関節屈曲が下肢閉運動連鎖筋出力に及ぼす影響

河村顕治、岡田育子、松尾高行

日本臨床バイオメカニクス学会誌 Vol.25315-3192004

(概要)身体運動は四肢体幹の動きが相互に影響を及ぼすため、全身に渡る運動連鎖のメカニズムの解明が求められている。これまでに我々は体幹の固定肢位の影響について検討を行った。今回、対側股関節屈曲運動が下肢閉運動連鎖筋出力にどのように影響を及ぼすかを検討した。筋電図では、右下肢伸展を単独で行わせた時は大腿四頭筋優位の筋収縮を示したが、左股関節屈曲を伴う右下肢伸展を行わせると、前者に比較して大殿筋、ハムストリングの筋収縮が有意に増大した( p < 0.01 )。広筋群、下腿三頭筋は変化せず、大腿直筋は有意に減少した( p < 0.01 )。

 

大腿直筋のCKCサイレント現象とシーティングベルトによるハムストリングの活性化

河村顕治、加納良男、宮地 司

吉備国際大学保健科学部研究紀要、第13号、57-612008

(概要)閉運動連鎖(closed kinetic chain;以下CKC)運動は大腿四頭筋とハムストリングの共同収縮が起こり膝関節の安定性が得られるとして前十字靭帯再建術後などの膝リハビリテーションに応用されている。ところがCKC運動の代表とされているスクワットではハムストリングの筋活動はほとんど見られない。また、大腿四頭筋についても広筋群が活発に活動する一方で大腿直筋はサイレントである。すなわち、CKC運動では二関節筋に抑制現象が起こることが特徴である。本研究では椅子からの立ち上がり運動において抑制される大腿直筋の代わりに大腿直筋を模して開発されたシーティングベルトを突っ張らせた。その結果、ハムストリングは著明に活性化した。シーティングベルトの作用で骨盤が前傾し、これを打ち消すためにハムストリングが活性化したと考えられる。