第37回日本臨床バイオメカニクス学会 2010年11月1日~11月2日(国立京都国際会館)OKCとCKC出力時における大腿直筋の筋厚および筋硬度の変化
山下智徳、河村顕治、角南義文
《学術論文》OKCとCKC出力時における大腿直筋の筋厚および筋硬度の変化
山下智徳、河村顕治、角南義文
臨床バイオメカニクス 32、429-434、2011
(概要)大腿直筋はCKCではOKCと異なった活動を示す.CKCでの大腿直筋はOKCと比較すると,筋厚は薄く,筋硬度は同程度増加することが明らかとなった.CKCでの大腿直筋はpower transferとしての役割を果たしていることが示唆された.
第46回日本理学療法学術大会 平成23年5月27日(金)~29日(日)宮崎市シーガイアコンベンションセンター
大腿直筋のOKCとCKC出力時における筋厚および筋硬度変化の解析
山下智徳, 河村顕治, 藤井彰人, 川口直樹, 山田圭介, 松村卓典, 北井真太郎, 齋藤賢治, 濱浪一則, 角南義文
第16回岡山リサーチパーク研究・展示発表会平成23年9月1日(木)テクノサポート岡山岡山市北区芳賀
シーティングベルトによる下肢筋力トレーニング
◎ 山下 智徳、河村 顕治(吉備国際大学大学院 保健科学研究科)
川上 真幸(ダイヤ工業株式会社 開発部門)
変形性膝関節症患者の歩行速度に影響する因子
天野徹哉、玉利光太郎、河村顕治
運動療法と物理療法 Vol.20 No.3 218-224, 2009
(概要)変形性膝関節症(膝OA)患者の歩行速度に関連する因子について横断的研究を行った。対象は膝OA患者53名(男性:12名,女性:41名,年齢:74.6±7.7歳)とし,統計学的処理は多変量解析を行った。重回帰分析の結果,歩行速度が高くなるに従い,膝屈曲筋力・膝伸展筋力は有意な高値を示し,歩行時の疼痛は有意な低値を示した(p<0.01)。膝OA患者の歩行速度には膝伸展筋力だけでなく,膝屈曲筋力も関連していることが明らかとなった。
変形性膝関節症患者における立ち上がり能力の関連因子の検証
天野徹哉,玉利光太郎,浅井友詞,河村顕治
第45回日本理学療法学術大会 平成22年5月27日(木)~29日(土)長良川国際会議場・岐阜都ホテル
【概要】立ち上がり動作は歩行と並び,日常生活動作の中で頻繁に行われる移動動作の一つである。膝OA患者における立ち上がりの研究報告は,歩行に比べ少ない。わが国では膝OA患者に対する筋力強化運動として,膝関節伸展筋である大腿四頭筋運動が主に実施・指導され,その効果が報告されている。しかしながら,立ち上がり動作は大腿四頭筋だけで行われるのではなく,ハムストリングの出力制御作用も重要な役割を果たしていると考えられる。本邦における先行研究では,膝屈曲筋力と動作能力との関係についての報告が少ないことや交絡因子の影響が不明であることに課題がある。本研究では,膝OA患者の身体機能を横断的に分析し,基本属性などの影響を取り除いた上で,立ち上がり能力の関連因子を明らかにすることを目的とした。対象は当院整形外科で膝OAと診断され,保存的治療を実施している53名(男性12名,女性41名;年齢74.6±7.7歳)を対象とした。取り込み基準は,椅子からの立ち上がりが上肢の支持なしで可能な者とした。研究デザインは横断研究で,立ち上がり能力を評価する指標として5回立ち上がりテスト(Timed Stands Test:TST-5)を使用した。立ち上がり能力の関連因子として,性別,年齢,Body Mass Index(BMI),患者立脚型変形性膝関節症患者機能評価尺度(JKOM)スコア点,自己効力スケール(K-ASES-J),膝屈曲筋力,膝伸展筋力,大腿四頭筋に対するハムストリングの筋力比(H/Q比),下肢伸展筋力,疼痛の程度(visual analog scale:VAS),膝関節伸展角度,ハムストリング柔軟性(HM柔軟性)の計測および調査を行った。統計学的処理は,TST-5を従属変数とした階層的重回帰分析による多変量解析を行った。説明変数は膝屈曲筋力,膝伸展筋力,H/Q比,下肢伸展筋力,VAS,膝関節伸展角度,HM柔軟性の7項目,交絡因子は性別,年齢,BMI, JKOMスコア点,K-ASES-Jの5項目とした。TST-5に影響を与える因子は,膝屈曲筋力(p=0.008,標準偏回帰係数-0.42),膝伸展筋力(p=0.034,標準偏回帰係数-0.32)と立ち座り時のVAS(p<0.05,標準偏回帰係数0.26~0.34)であった。すなわち,立ち座り時間の短縮には膝屈曲筋力と膝伸展筋力が高値であること,立ち座り時の疼痛が低値であることが関係していた。本研究の結果から,膝OA患者の立ち上がり能力には膝伸展筋力だけでなく,膝屈曲筋力と立ち座り時の疼痛も関連があることが明らかとなった。今後,膝屈曲筋力を含めた膝関節周囲筋力と立ち上がり能力についての縦断研究を行い,立ち上がり能力との因果関係について検討する必要がある。
デジタル体重計を用いた閉運動連鎖下肢筋力測定方法の信頼性と妥当性の検討
片岡 光,河村顕治,小幡太志,横山茂樹
第45回日本理学療法学術大会 平成22年5月27日(木)〜 29日(土) 長良川国際会議場
【概要】下肢筋力を評価するには,膝伸展筋力をトルクとして計測するのが一般的である。それには専用の測定機器が必要となるが,高価で大型で重い固定式であるため,広く使用されるには至っておらず,特定の場所での評価に限られてしまうという問題がある。また,高齢者のなかには変形性膝関節症などの基礎疾患を持つ者が多くOKC運動での評価により膝痛をきたす問題がある。一方,CKC運動での評価・訓練の安全性,有効性が指摘されておりCKCでの下肢筋力評価法が求められている。そこで,CKC下肢筋力を簡便に測定するため,デジタル体重計と固定用ベルトを用いた方法を考案した。実験1として若年女性25名と高齢女性25名を対象とし,オージー技研のIsoforce GT-330とデジタル体重計を用いCKC下肢伸展足部出力を測定した。対象者の肢位は,先行研究により最も安全で安定した足部出力が得られた肢位とし,椅子座位で体幹:垂直位 股関節:屈曲90°内外転0°内外旋0°膝関節:屈曲60°足関節:背屈10°とした。 幅5cmの環状に連結した固定用ベルトを用い,腰部は第12胸椎棘突起レベル,足部は足底中央部になるように閉鎖固定し,5秒間の右下肢伸展時の足部出力を3回測定し,最大値を求め,体重で除して正規化し体重比とした。 実験2では若年女性25名を対象とし,デジタル体重計を用いて実験1と同様の肢位でPT,OT,PTSの3人で測定した。 実験1の結果,Isoforce GT-330体重比と体重計体重比の相関は,p<0.01で有意となりPearsonの相関係数は,若年女性0.798,高齢女性0.939であった。実験2の結果,若年女性25名におけるICC(1,1)は, PT 0.953, OT 0.883, PTS0.905,またICC(2,1)は0.872であった。
体幹から足部を環状に閉鎖固定するベルトによるCKC足部出力方向制御
河村顕治、加納良男、片岡 光、山下智徳、梅居洋史、酒井孝文、井上茂樹
吉備国際大学保健福祉研究所研究紀要第11号、17-20、2010.03
(概要)CKCにおいては計測肢位と足部出力方向を同一に規定しなければ計測値の比較は意味をなさない。そこで、座位で体幹から足部を環状に閉鎖固定するベルトによりCKC足部出力方向が制御できるという仮説に基づき研究を行った。被験者は健常若年女性19名と地域在住の健常高齢女性19名である。床反力計AccuGait (AMTI) 1枚を組み込んだ荷重解析システムToMoCo-FP(東総システム)の設定を変更し、右下肢についてCKC運動で床反力計を蹴る矢状面の運動を足部の出力と右側面から撮影したビデオ画像を同期して計測してCKC解析プログラム(東総システム)で解析を行った。足部反力ベクトルとベルトのなす角度は健常若年女性では0.04±1.75度であり、健常高齢女性では-0.82±2.52度であった。両者には有意差は認められなかった。体幹から足部を環状に閉鎖固定するベルトによりCKC足部出力方向がベルトの方向に制御できることが明らかとなった。